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「たくさん遊べばよく眠る」は本当か? 健康な子どもの身体活動と睡眠の関係
Healthy Habits 92_身体活動15 今回は、3〜13歳の健康な子どもを対象に、身体活動と睡眠の関係を検討した論文をとりあげます。(※) 成人や思春期では、運動と睡眠の間に良い関係があることが報告されています。 子どもについてはどうなのでしょうか。 Introduction 身体活動と睡眠は、いずれも子どもの健康に重要な行動である。これまで、それぞれが身体的・心理的・認知的・社会的健康と関連することが示されてきた。一方で、身体活動と睡眠の関連については、成人や思春期では検討されているものの、健康な子どもでは十分に明らかになっていない。そこで本研究では、健康な3〜13歳児における身体活動と睡眠の関連を、系統的レビューおよびメタ解析により検討した。 Methods 研究対象は、3〜13歳の健康な子どもで、身体活動と睡眠の関連を検討した観察研究が対象とされた。文献検索は複数のデータベースを用いて行われ、最終的に47研究が系統的レビューに、そのうちメタアナリシス可能な研究が統合解析に含まれた。 身体活動および睡眠は、客観的方法または主観的方法
6 日前


食べ方と咀嚼機能は小児肥満と関連
Healthy Habits 91_食事16 今回は、食べ方と咀嚼機能は小児肥満に関係するか、大阪の小学生を対象とした横断研究を取り上げます。(※) Introduction 小児肥満は将来の心血管疾患、2型糖尿病、メタボリック症候群のリスクとなるため、早期からの予防が重要とされている。一方、歯科領域では近年「咀嚼機能と全身健康」の関連が注目されている。本研究では、食べ方、咀嚼能力と小児肥満の関連を検討。 Materials and methods 大阪市の小学4年生 1,403人(9–10歳)。 2023年4月〜2024年3月に学校健診および歯科検診を受けた児童が対象。 歯科診査 学校歯科医により以下を評価。DMFT指数(う蝕経験歯数)、歯の萌出状況、Hellman歯列発育段階 WHOの口腔調査基準に基づき診査が行われた。 ■食行動(質問票) 児童本人への質問票で以下を評価。 早食い、口いっぱい食べる、硬い食べ物が嫌い 質問項目は既存研究を参考に作成された。 ■咀嚼能力 色変化チューインガムを用いて客観的に評価。 1秒1回のペースで 60回咀嚼
4月8日


「スクリーンタイム」から「デジタルエコシステム」へ
Healthy Habits 90_スクリーンタイム16 2026年2月、米国小児科学会(AAP)は「Digital Ecosystems, Children, and Adolescents」という新しいポリシーステートメントを公表しました。(※) これは小児のメディア利用に関する従来の「スクリーンタイム」中心の考え方から大きく転換する内容です。改定前の内容については、 第5回 と 31回 で取り上げており、10年ぶりの改定となります。 従来の「スクリーンタイム」モデルの限界 これまで小児のデジタルメディア指導は主に年齢毎の時間制限に焦点が当てられてきました。しかしAAPは今回、次の点を強調しています。 「メディアと子ども」は、 ・個々の子どもの行動やスクリーンの使用制限のみの観点から捉えることはできない ・個人や家庭だけでなく、デジタル環境や社会構造によっても形成される 今回の声明におけるキーワードは、「engagement-based design」と「child-centered design」の2つです。 ■engagement-bas
3月19日


かかりつけ医とは? 子どもにかかりつけ医は必要?
「かかりつけ医って本当に必要?」と感じている方へ。現場の小児科医として、持っている家庭と持っていない家庭の違いを具体的に解説します。
3月11日


医薬品の誤飲事故
Healthy Habits 88_事故予防9 今回は中毒事故、医薬品の誤飲事故を取り上げます。 医薬品の誤飲事故は、外来にも相談や受診されることもある、決して珍しい事故ではありません。 小児の薬物過剰摂取は、乳幼児の事故と思春期の意図的な「オーバードーズ」の2つに問題がわけられます。今回は乳幼児の事故についてです。 少し古い報告ですが、5 歳以下の子どもの医薬品などの誤飲事故報告件数は、平成18(2006)年以降増加傾向である、とされています。(※1) その後、令和元年に詳細な情報分析結果が報告されています。(※2) この分析結果が予防において大切な視点を与えてくれます。以下に要点をまとめます。 子供による医薬品誤飲事故に関する情報分析 ■年齢 1歳時が半数、次いで2歳、0歳の順で多かった ■発生場所 ほとんどが自宅で起こっている(95.9%)、次いで実家・親戚宅 ■薬があった場所 机・カウンター、引き出し・戸棚、床の順 ■薬があった高さ 0.5m以下が最も多く、0.5mから1.5mで約7割を占めた ■医薬品の剤形と子どもの年齢について...
2月18日


日本の思春期における Social Jetlag と日中機能障害
Healthy Habits 87_睡眠15 今回は、ソーシャル・ジェットラグ(social jetlag)、いわゆる「社会的時差ボケ」に関する、日本の中学生を対象にした調査を取り上げます。(※) まず、social jetlagの具体例を示します。 (例)1時間以上の social jetlag(研究で問題とされた水準) 平日 就床:23:30 起床:06:30→睡眠中点:03:00 週末 就床:00:30 起床:08:30→睡眠中点:04:30 →平日と休日の睡眠中点の差は1時間30分となり、これをsocial jetlag ≥1時間と定義。 Introduction 思春期は、概日リズムの後退(夜型化)や、学業・部活動・デジタル機器使用などの社会的要因が重なり、睡眠リズムが乱れやすい時期である。その結果、平日と週末の睡眠タイミングのずれ、いわゆる social jetlag(社会的時差ぼけ) が生じやすい。成人では、social jetlag が肥満、代謝異常、抑うつ症状などと関連することが知られているが、日本の思春期を対象に、social
2月11日


子どもの健康的な生活習慣(Healthy Habits) 全記事まとめ
これまでの記事を目次としてまとめています。 題名を選択すると記事にとびます。子どもたちの日常生活の参考にされてください 。 1. WHOガイドライン(運動・スクリーンタイム・睡眠) 2. 健康的な生活習慣は、その後の健康に繋がるのか? 3. Biomedical model(生物医学モデル) 4. 「Sugary Drink」の消費を減らすための政策(アメリカ) 5. スクリーンタイム(アメリカ小児科学会) 6. 食べ物への感謝と健康 7. スクリーンタイムと脳の発達 8. 朝食抜きと食事の質 9. 睡眠と海馬の関係 10. 幼児期運動指針 11. 食品による窒息 12. 夏休みと運動 13. 子どもの睡眠時間を削った研究 14. たばこ白書 15. 子どもの「薬」の基本知識 16. ビデオゲームと脳発達 17. 母親が評価する子どもの健康度 18. 乳幼児の睡眠パターン 19. 子どもの不慮の事故
1月14日


WHOガイドライン(運動・スクリーンタイム・睡眠)の遵守率
Healthy Habits 86_総論12 今回は、 第1回 で取り上げたWHOの5歳未満の身体活動・座位・睡眠ガイドラインを世界中の子どもたちがどれだけ満たしているかを調査した論文を読みました(※)。 Introduction ガイドラインでは、1 日 で180 分の身体活動 (そのうち少なくとも 60 分は中程度から強度) 、スクリーンタイムを 1 時間を超えないこと、10 時間から 13 時間の良質な睡眠をとることを推奨している。33か国の子どもたちがどれだけこの推奨を満たしているかを調べることが目的。 Methods 2008年7月〜2022年9月に収集された世界各地のデータを統合して解析。最終的に14件の研究からデータ提供を受け、国や地域ごとの比較が可能な形に整理。 <測定内容> ・身体活動 子どもたちは腰または手首に加速度計を装着し、少なくとも4日間データを記録して身体活動量を評価。 ・スクリーンタイム 保護者が「典型的な1日のメディア使用時間」を報告した。平日と週末が分けて報告されている場合は、加重平均を用いて1日あたりの平均を求
1月14日


子どものテレビ・ゲーム時間を左右する家庭環境の要因
Healthy Habits 85_スクリーンタイム15 今回は、子どものスクリーン視聴時間と家庭環境や親のスクリーン視聴時間との関連を報告した論文を取り上げます。(※) Introduction 研究の目的は、母親と父親のスクリーン視聴時間と電子メディア環境要因が、ポルトガルの子供のスクリーン視聴時間とどのように関連しているか、また、平日と週末、子供の年齢や性別によって関連が異なるかどうかを調べること。 Methods 2009年~2010年にポルトガルで実施された、子どもの肥満に関する横断的調査のデータを使用。 当初17,509人のデータ提供があったが、欠損値が多いため、完全なデータを持つ2,965人を最終的な分析対象とした。 主な測定変数 スクリーン視聴時間: 保護者への質問票に基づき、母、父、子のテレビ、PC、電子ゲームの平日・週末の時間を報告。 テレビ時間: 「2時間未満」 対 「2時間以上」 に二値化。 その他のメディア時間: PCと電子ゲームを合算し、「1時間以下」 対 「1時間超」 に二値化。 メディア環境: 家庭内の機器の数、子
2025年12月10日


小児アレルギー性鼻炎と行動問題:睡眠障害による媒介効果を示した大規模研究の示唆
Healthy Habits 84_睡眠16 今回は、アレルギー性鼻炎と児童の行動上の問題との関連性、その関連における睡眠障害の媒介度を検証した論文を取り上げます。(※) Introduction Behaviour problems(BPs)「行動問題」は子どもの発達や健康に大きな負担をもたらす重要な問題。さらに、ADHDや精神疾患、薬物使用などの高リスク行動の前兆となるため注意が必要。BPsはできるだけ早期に介入した方が良い。 アレルギー性鼻炎(Allergic rhinitis: AR)→BPsの可能性が高いが、これまでの研究では証拠に一貫性がない。 さらには、睡眠障害(Sleep disturbance: SD)はBPsの危険因子であり、ARはSDの危険因子でもある。 AR-SD-BPsの関係を検討することが目的。 ※行動問題には、外に向かう問題(例:多動、衝動性、反抗、攻撃性)と内に向かう問題(例:不安、抑うつ、引きこもり)などがある。 Methods ・上海の都市部、2019年、6-12歳の小学生、26,827人が対象 ・オンライン調
2025年12月3日


100%フルーツジュース
Healthy Habits 83_食事15 今回は、100%フルーツジュースと体重に関するシステマティックレビューおよびメタ解析の論文を取り上げます。(※) 第29回 では、フルーツジュースに関する米国小児科学会(AAP)の推奨事項を取り上げました。今回の論文はそれを支持する結果でした。 Introduction 100%果汁摂取と体重増加に関する研究では結果が一致していない。 また、国際的なガイドラインでも統一されたものはない。 本研究では、100%果汁摂取と体重との関連を小児および成人で検討する包括的なシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。 Methods 6か月以上の追跡期間をもつ前向きコホート研究、2週間以上の介入期間をもつランダム化比較試験(RCT) を対象とした。 対象は、小児・思春期(18歳未満)および成人(18歳以上)において、100%果汁摂取と体重増加の関連を検討した研究とした。 100%果汁の定義は、「砂糖を添加していない果汁」であり、「100%果汁」と明記されているもの、あるいはそれに準ずる記述があるものとした
2025年11月6日


自然遊びと子どもの発達
Healthy Habits 82_身体活動14 今回は、 子どもの自然遊び(nature play)に関するシステマティックレビューをとりあげます。(※) 自然遊びが幼児の健康や発達に与える影響をまとめたものです。 研究背景 幼児期の肥満やメンタルヘルスの問題は世界的に増加しており、身体活動不足・屋外遊びの減少が背景にある。近年、従来型の遊具中心の遊び場から、自然要素(木、草、水、砂、岩など)を取り入れた 「自然遊び(nature play)」 が注目されている。 しかし「自然遊び」が本当に子どもの健康・発達に有益かどうか、エビデンスは体系化されていなかった。 目的:2〜12歳を対象に、自然の中での自由遊び(unstructured free play) が子どもの健康・発達に及ぼす影響を、定量的研究に基づいて系統的にレビューすること。 方法 データベース検索:MEDLINE, ERIC, Embase, PsycINFO, Cochrane Library, Joanna Briggs, Emcare(〜2019年)。 選択基準: 対象:2
2025年10月30日


子どもの睡眠不足症候群とは
夜間に必要な睡眠が確保できているかどうかが重要。
2025年10月22日


親が知っておきたい『ネット上の誤情報』について
Healthy Habits 80_総論11 今回は、 JAMA PediatricsのPatient Pageに「ネット上の誤情報について親が知っておくべきこと」というわかりやすい解説が載っていましたので(※1)、メディアリテラシーについて取り上げます。 お子さんの病気や健康に関する情報は、インターネットで調べられることが多くなってきました。インターネットはとても便利なのですが、正しくない情報も多く、子どもや家族の健康に悪影響を及ぼすことがあります。 誤情報と偽情報の違い - 誤情報(Misinformation):意図せず誤解を招く、不正確な情報(確認不足が原因) - 偽情報(Disinformation):人をだます目的で意図的に作られた虚偽情報 正しい情報を見抜く「メディアリテラシー」 3つのヒント ① 信頼できる情報源を利用する 公的機関や医療機関からの情報を探しましょう ② 参考文献をチェックする すべての記事には、透明性と事実確認のために出典が引用されている必要があります。有名な科学雑誌からのものですか? ピアレビューを
2025年10月15日


ファストフード摂取頻度と小児の体重増加 子ども
Healthy Habits 79_食事14 今回は、ファストフード摂取と子どもの体重変化について調査した米国からの報告をとりあげます。(※) Introduction 子どもの肥満は世界的に増加しており、生活習慣病リスクを高める大きな問題。...
2025年10月2日


スクリーンタイムかんしゃく 子ども
Healthy Habits 78_スクリーンタイム14 「Screen time tantrums」という興味深いキーワードを最近よく見かけるようになりました。日本語では「スクリーンタイムかんしゃく」と言うのでしょうか。今回はそれに関連したメディア使用と癇癪(かんしゃく)...
2025年9月25日


子どもを守るための災害への備え
Healthy Habits 77_事故予防8 今回は、災害に対する備えについて取り上げます。9月1日は「防災の日」。地震や台風など、災害はいつ起きてもおかしくありません。お子さんを守るため、日頃からの備えが大切です。 子どもに関する災害時の備えについて、今回は3つの視点か...
2025年9月17日


幼児期から成人期にかけた身体活動習慣の追跡 — 27年間の縦断研究
Healthy Habits 76_身体活動 13 今回は、幼児期から成人期までの身体活動習慣の変化とその持続性(トラッキング)を27年間追跡した研究(※)を読みました。 Introduction 身体活動(Physical activity :...
2025年9月4日


子どもへの人工甘味料使用、どこまで安全か?
食品安全委員会、WHO、FDA、AAP、EFSAが公表しているアクセス可能な情報から、人工甘味料について調べてみました
2025年8月27日


子どもの熱中症対策 親ができる予防策
Healthy Habits 74_事故予防7 今回は 熱中症対策 を取り上げます。 第36回 でも取り上げていますが、参考文献の改定に伴い加筆修正を行いました。 7月に入ったばかりですが、すでに猛暑日もあり、今年は熱中症のリスクが去年よりも高いと考えています。熱中症は予防...
2025年7月9日
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