top of page

当クリニックは、Web予約制です

お電話からもお気軽にお問い合わせください。

何かを見つめる子ども

お知らせ

100%フルーツジュース

  • 善導寺こどもクリニック
  • 2025年11月6日
  • 読了時間: 4分

Healthy Habits 83_食事15


今回は、100%フルーツジュースと体重に関するシステマティックレビューおよびメタ解析の論文を取り上げます。(※)

第29回では、フルーツジュースに関する米国小児科学会(AAP)の推奨事項を取り上げました。今回の論文はそれを支持する結果でした。

Introduction

100%果汁摂取と体重増加に関する研究では結果が一致していない。

また、国際的なガイドラインでも統一されたものはない。

本研究では、100%果汁摂取と体重との関連を小児および成人で検討する包括的なシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。

Methods

6か月以上の追跡期間をもつ前向きコホート研究、2週間以上の介入期間をもつランダム化比較試験(RCT) を対象とした。

対象は、小児・思春期(18歳未満)および成人(18歳以上)において、100%果汁摂取と体重増加の関連を検討した研究とした。


100%果汁の定義は、「砂糖を添加していない果汁」であり、「100%果汁」と明記されているもの、あるいはそれに準ずる記述があるものとした。野菜ジュースや、ソーダ・果汁飲料などの砂糖入り飲料を含む研究は除外した。

RCTでは、水や人工甘味料入り飲料など、カロリーを含まない飲み物との比較が行われた。


子どもでは BMIの変化、成人では 体重の変化(kg) を主要な指標とした。

「1日あたりコップ1杯(約240mL)の果汁を多く飲むと、どれくらい体重が増えるか」を分析した。

総エネルギー摂取量の影響を考慮し、

「エネルギーで調整しない解析」と「エネルギーで調整した解析」の両方を実施。


「エネルギーで調整しない解析」=果汁の摂取量と体重の関係をありのまま評価(他の食事要因の影響を含む)

「エネルギーで調整した解析」=食事全体のカロリーをそろえた上で、果汁そのものの影響を検証


この2つを比較することで、果汁の影響が「単なるカロリー過剰」なのか、「果汁特有の性質」によるのかを区別している。研究のばらつき(異質性)や出版バイアス(発表されやすい結果の偏り)も統計的に検証。

Results (小児関連のものを記載)

・最終的に17件の研究を対象とした、小児対象のRCTは存在しなかった

小児を対象とした前向きコホート研究の大部分は北米で実施されており、参加者のベースライン時の年齢中央値(四分位範囲)は 8歳(1〜15歳)、研究期間の中央値(四分位範囲)は 4年(8か月〜10年) であった

・全ての研究を統合すると、小児n=45,851名

・1日8オンス(237ml)多く飲むごとに、BMIが0.03(95%CI, 0.01–0.05)高かった

・しかし、研究間のばらつきが大きく結果の一貫性は十分ではなかった

・総エネルギー摂取量を調整していない研究では明確な正の関連(BMI上昇)がみられたが、エネルギーで調整した研究ではこの関連は消失

→ つまり、「果汁そのもの」ではなく、「果汁を多く飲む人は全体的にカロリー摂取が多い」可能性が示唆された

・年齢別では、11歳未満の子どもほどBMI上昇が大きい傾向があった、特に8歳以下で最も強く関連がみられた

Discussion

小児の結果の解釈

本メタ解析では、小児において100%果汁摂取とBMIの正の関連が確認された。

特に年齢中央値で層別化した解析では、若年児(<11 歳)でのBMI上昇が顕著であり、さらに食事摂取基準に基づいて年齢を細分化してもこの傾向は持続した。

8 歳以下の子どもでBMI上昇が最も大きく、9〜13 歳では小さく、14 歳以上では関連は認められなかった。

8 oz(約237 mL)の果汁1杯は、若年児では1日の総エネルギー摂取量に占める割合が相対的に大きいため、体重への影響も相対的に強く表れると考えられる。

この結果は、AAPの指針が示す「6 歳未満の子どもでは果汁摂取は1日1杯未満にとどめるべき」という勧告とも整合している。


Limitation

自己申告による食事評価法には不正確さや記録誤りが生じやすい。

特に小児の場合は、本人または保護者・養育者による代理報告であるため、果汁摂取量の評価に誤差を含む可能性が高い。

すべてのアウトカムで異質性(heterogeneity)が大きく、メタ回帰解析でもその要因を完全には説明できなかった。

この論文は、今後100%フルーツジュースのあり方を議論する上で、重要な研究となりそうです。今回は「体重」に焦点を当てていますが、「糖」の影響は体重変化にとどまりません。味覚の形成、う蝕、代謝への影響など、より広い視点から捉えることが大切です。

(※) Nguyen M, Jarvis SE, Chiavaroli L, Mejia SB, Zurbau A, Khan TA, Tobias DK, Willett WC, Hu FB, Hanley AJ, Birken CS, Sievenpiper JL, Malik VS. Consumption of 100% Fruit Juice and Body Weight in Children and Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Pediatr. 2024 Mar 1;178(3):237-246.


【Healthy Habits 全記事まとめ】ちら

コメント


福岡県久留米市の小児科

善導寺こどもクリニック

 久留米市善導寺町・田主丸町・うきは市で小児科なら善導寺こどもクリニックへ

福岡県久留米市善導寺町飯田272-7

【休診日】木曜午後、日曜、祝日

■土曜の午後は、16時までの診療です。ご注意ください。
当院は14時~16時までは予防接種と健診の専用時間帯

©2021 善導寺こどもクリニック. All Rights Reserved.

bottom of page