親が知っておきたい『ネット上の誤情報』について
- 善導寺こどもクリニック
- 2 日前
- 読了時間: 3分
Healthy Habits 80_総論11
今回は、 JAMA PediatricsのPatient Pageに「ネット上の誤情報について親が知っておくべきこと」というわかりやすい解説が載っていましたので(※1)、メディアリテラシーについて取り上げます。
お子さんの病気や健康に関する情報は、インターネットで調べられることが多くなってきました。インターネットはとても便利なのですが、正しくない情報も多く、子どもや家族の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
誤情報と偽情報の違い
- 誤情報(Misinformation):意図せず誤解を招く、不正確な情報(確認不足が原因)
- 偽情報(Disinformation):人をだます目的で意図的に作られた虚偽情報
正しい情報を見抜く「メディアリテラシー」
3つのヒント
① 信頼できる情報源を利用する
公的機関や医療機関からの情報を探しましょう
② 参考文献をチェックする
すべての記事には、透明性と事実確認のために出典が引用されている必要があります。有名な科学雑誌からのものですか? ピアレビューを受けていますか? つまり、他の専門家もその価値に同意していますか? それとも、情報が検証できない Web サイトからのものですか?
③ 著者の資格を考慮しましょう
そのトピックに関しての専門知識がある著者かどうかが大切です。
まずは親がメディアリテラシーを身につけ、それを子どもたちに教えて手助けする必要があります。
この中で②に対する認識がとても大切だと思いました。
出典がない情報や個人の体験談、例えば「これが効いた」という類の記事には注意が必要です。
フィルターバブル
また、政府広報や総務省からも情報との向き合い方に関して良い資料が出されていました。(※2)(※3)
その中で、「フィルターバブル」という言葉は最近のSNS時代にとっては重要な知識だと思います。私たちがスマホで得る情報は、その個人がどんな記事をクリックしているのかが分析されていて、「見たい、読みたい」と思う投稿を表示するように「アルゴリズム」という機能によって調整されています。このアルゴリズムによって、自分が好む記事、欲しいと思う情報ばかりに囲まれる状況を「フィルターバブル」と呼びます。この現象のせいで、偏った情報が、あたかも世の中の標準だと誤解してしまうことがあります。(※3)
インターネットで調べ物をする際には、「3つのヒント」や「フィルターバブル」の落とし穴にも注意しながら情報収集を行いましょう。

(※1) Ameenuddin N, Thompson LA. What Parents Need to Know About Online Misinformation. JAMA Pediatr. 2025;179(6):688. doi:10.1001/jamapediatrics.2025.0290
(※2)インターネット上の偽情報や誤情報にご注意!
(※3)インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報にだまされないために~第2版
【Healthy Habits 全記事まとめ】→ こちら
コメント