思春期における睡眠不足と、それに対する制度改革の必要性
- 善導寺こどもクリニック
- 5月7日
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Healthy Habits 93_睡眠16
今回は、JAMA最新号(2026年4月時点) に掲載されたEditorial(論説)で、思春期の睡眠不足に関するものを取り上げます。第90回で取り上げた「デジタルエコシステム」と関連している考え方だと思いました。 (※)
睡眠不足は、思春期の子どもにとって最も一般的な健康リスクの一つ。
認知機能や学業成績の低下、うつ病やその他の精神的健康問題、身体的な問題とも関連している。
13~18歳の思春期の子どもは8-10時間の睡眠時間が推奨されている。
しかし、この睡眠時間を確保できていない子どもが多いことが示されている。
アメリカの最新の報告では、睡眠不足の割合は2007年の68.9%から2023年には76.8%へと増加しており、特に「5時間以下」という極端な短時間睡眠の増加がその背景にある。
構造的および環境的要因が人口レベルでの睡眠不足を引き起こしている可能性がある。
個人の行動変容に焦点が当てられてきたが限界がある。
例えば学校の開始時刻は主要な構造的要因で、始業時刻を遅らせることが睡眠時間の延長に関連していることが示されている。しかし、現実的には実現することが難しい。
また、デジタルメディアの影響も挙げられる。スクリーンメディアは、メラトニン分泌を変化させるブルーライトや、魅力的な設計や絶え間ない通知によって思春期の若者を刺激的なSNS、ゲーム、動画に継続的に引きつけることで、睡眠時間を奪い、睡眠を妨げる可能性がある。
思春期における十分な睡眠時間を支援する介入には、学校、家庭、医療従事者、テクノロジー企業、そして必要に応じて政府機関を含む、協調的なシステムレベルのアプローチが求められる。
思春期の子どもたちは、自己調整能力や意思決定能力がまだ発達途上であり、大人でも難しい行動変容を本人に委ねるだけでは限界があります。
デジタルエコシステムの議論と同様に、睡眠も個人の問題だけではなく環境の問題でもあり、『早く寝なさい』という指導のみでは限界があると感じました。

(※) Bates RA, Lieu TA. Insufficient Sleep in Adolescents and the Need for System Changes. JAMA. 2026;335(13):1125–1126.
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