砂糖と体重増加、関連の証拠
- 善導寺こどもクリニック
- 13 時間前
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Healthy Habits 98_食事17
今回は、成人および子供の食事中の糖分摂取と体重の関連に関するシステマティックレビューおよびメタアナリシスを取り上げます。(※)
Introduction
砂糖入り飲料(ジュースや清涼飲料)と肥満の関係は一貫した証拠があったが、
「砂糖」に関しては、一貫した結果が出ていなかった。そもそも「砂糖」の定義が定まっていないこともあり、WHOは、「free sugar(遊離糖)」という概念を定義した。これは加工食品に加えられた砂糖、はちみつやシロップ、果汁に含まれる糖などをまとめたもので、より現実の食生活に近い形で砂糖を評価するための考え方。この論文は、こうした新しい定義をもとに、砂糖の摂取量が体重や体脂肪にどう影響するのかを整理することを目的とした。
Methods
本研究は、食事中の糖質摂取量と体脂肪(体重・BMI等)との関連を評価するために、ランダム化比較試験(RCT)および前向きコホート研究を対象としたシステマティックレビューおよびメタアナリシスとして実施された。
研究選択
RCT:介入期間 ≥2週間
コホート:追跡期間 ≥1年
対象:健常成人および小児
曝露:総糖質、構成成分、または糖含有食品・飲料(free sugars含む)
アウトカム:体重、BMI、体脂肪量などの肥満関連指標
以下は除外:減量目的の介入試験、他の生活習慣介入と分離不能な研究
RCTの分類、RCTは以下の2群に分類された:
1. ad libitum試験
糖摂取量の増減のみを指示(エネルギー制限なし)し、実生活に近い条件での影響評価した研究
2. isoenergetic試験
総エネルギーを一定に維持し、糖質を他の炭水化物と置換した研究
統計解析
体重変化:逆分散法+ランダム効果モデル
コホート研究:OR(肥満リスク)、β係数(連続変数)
異質性:I²統計量
感度解析:バイアス高リスク研究除外、介入強度・期間別解析
メタ回帰:糖質摂取量・研究期間・デザインとの関連評価
エビデンス評価:Cochrane手法に準拠、GRADEによりエビデンスの質評価
Results
① 成人RCT(ad libitum条件)
・砂糖摂取減少
→ 体重 −0.80 kg(95%CI −1.21 to −0.39, P<0.001)
・砂糖摂取増加
→ 体重 +0.75 kg(0.30 to 1.19, P=0.001)
摂取量の増減に応じた対称的な体重変化
② 成人RCT(isoenergetic条件)
等カロリー置換(糖質 vs 他炭水化物)
→ 体重変化なし:0.04 kg(−0.04 to 0.13)
エネルギー非依存の効果は認めず
③ 小児RCT
介入(主にSSB制限指導)
→ BMI変化なし:0.09(−0.14 to 0.32)
多くでcompliance不良
④ 小児コホート研究
SSB高摂取 vs 低摂取
→ 肥満リスク OR 1.55(1.32–1.82)
一貫した正の関連
⑤ 成人コホート研究
多くの研究で糖質摂取量と体重・脂肪量に正の関連
⑥ 用量反応(meta-regression)
糖質摂取量(%エネルギー)と体重変化
→ 関連なし:0.02 kg(−0.03 to 0.08, P=0.392)
Discussion
自由摂取条件では、糖質摂取量の増減に応じた体重変化がRCTで一貫して認められ、コホート研究もこれを支持した。一方、等カロリー条件では体重変化は認められず、影響は主にエネルギー摂取量を介すると考えられる。小児介入研究の不一致は遵守率の低さが主因とされ、観察研究では特に砂糖入り飲料と肥満の関連が一貫していた。
「砂糖は太る」という考え方は、今では広く受け入れられています。この論文では、砂糖そのものが特別に体重を増やすというよりも、エネルギー収支を介して体重増加につながるという構造を明確に示しています。現在の栄養指導の基盤となる論文の一つです。
甘い飲み物やお菓子は、子どもの生活に自然に入り込み、食事に上乗せされ、習慣化していきます。だからこそ、子どもの健康を守るうえで、やはり意識して減らすべき存在だと考えます。

(※) Te Morenga L, Mallard S, Mann J. Dietary sugars and body weight: systematic review and meta-analyses of randomised controlled trials and cohort studies. BMJ. 2012;346:e7492.
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