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善導寺こどもクリニック

ビデオゲームと脳の発達

更新日:5月22日

Healthy Habits 16_スクリーンタイム3


今回は、ビデオゲームが子どもの脳の発達に与える影響を報告した論文を取り上げます。(※)

Introduction

ビデオゲームプレイ (VGP)には良い効果と好ましくない効果がある。

良い効果には視覚認知の改善があるが、好ましくない効果には、言語記憶、注意、睡眠、学業などに対する悪影響がある。この研究の目的は、脳の微細構造の発達に対するVGP の影響を調べること。

Materials and methods

5-18歳 健康な日本人の子どもたち 189人

①VGP時間調査、知能検査、MRI撮影

↓ 3年後

②知能検査、MRI撮影


VGP時間と知能検査との関係

VGP時間とMRI画像所見との関係


解析においては、性別、年齢、親の教育歴、収入、親子の関係の良好性、居住地域の都市レベル等の交絡因子を調整

(平均拡散率(MD):通常成長に伴ってMDの低下がみられる)

Results

・ビデオゲーム時間(mean±s.d., range) 

 男児0.9±0.7, 0 to 3

 女児0.7±0.8, 0 to 4


・長時間のVGPは、

 ①の時点での低い言語知能と関連、

 ②の時点でより一層の言語知能の低下につながっていた


・長時間のVGPは①の時点での前頭前皮質、尾状核、淡蒼球、左海馬、前島、視床等各領域

 のMDの増加と関連

 初回参加時から②の時点までの発達性変化への負の影響と関連

Discussion

✓過剰なVGPが直接的または間接的に好ましい神経系の発達を妨害し、これが言語的知能の発達の遅れに関連している可能性がある


✓今回の結果は、VGPが長いほど、広範囲の領域でMDが大きくなり、言語的知能が低下することと、横断的および縦断的に関連していることを示した


✓分析で修正できなかった多数の環境要因が観察された変化を引き起こした可能性は残る

 

ゲームをして遊ぶことは現代の子にとっては避けられないかもしれません。

友達と放課後に一緒にゲームをしたり、自宅で一人で熱中したり。「適度」に遊ぶことは難しいかもしれませんが、遊ぶ子供自身にもデメリットを伝えておくことは大切なことだと思いました。

(※) Takeuchi H, Taki Y, Hashizume H, et al. Impact of videogame play on the brain's microstructural properties: cross-sectional and longitudinal analyses. Mol Psychiatry. 2016;21(12):1781-1789.


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