子どもの睡眠とスクリーンタイムは影響し合う
- 善導寺こどもクリニック
- 6月17日
- 読了時間: 3分
Healthy Habits 96_スクリーンタイム17
今回は、やや古い論文ですがスクリーンタイムと睡眠の双方向的な関係性を示した論文を取り上げます 。(※)
Introduction
スクリーンタイムと睡眠時間は、子どもの健康と幸福に重要な影響を及ぼす。
子供のスクリーンタイムの増加は、睡眠時間の短縮、睡眠障害、夜間の頻繁な覚醒など、その後の睡眠問題のリスク上昇と関連している。しかし、スクリーンタイムと睡眠の双方向の関連を調べた研究はほとんどない。
子どものスクリーン時間と睡眠時間の間に双方向の関係が存在するかどうかを調査した。
Methods
オーストラリアの児童縦断研究のデータを使用。
4歳~5歳の子供を対象に、6-7歳、8-9歳時のデータを使用した。
・24時間日記を使用して、睡眠時間とスクリーンタイムを収集。
・共変量として、体重、身長、BMI、睡眠障害の有無、世帯収入、母の教育レベルを収集
統計解析
・睡眠時間とメディア利用の双方向の関係は、クロスラグパネルモデルを使用して解析。
3種類のパスを同時推定
・安定性パス:同一変数の持続(例:Sleep₄→Sleep₆)
・同時相関:同時点の関連(Sleep₄↔Media₄)
・交差遅延パス:時間をまたぐ相互影響
(例:Sleep₄→Media₆ 、Media₄→Sleep₆)
交差遅延パスは、各変数の既存レベルを調整したうえで、他方の将来値への変化への影響を推定する(すなわち個体のベースライン傾向を超えた追加的効果を評価する)
交絡調整
性別、ベースライン肥満
睡眠問題、世帯収入、母教育、これらを共変量として調整し、純粋な相互影響を推定
Results
・ベースライン時に4~5歳の子ども3427人(男児51.2%)が含まれていた。
睡眠時間とメディア利用の間には双方向の関係が観察された。
例えば、4歳時のメディア利用総量は6歳時の睡眠時間と有意に関連しており(β = −0.06 [95% CI, −0.10 ~ −0.02])、6歳時のメディア利用は8歳時の睡眠時間を予測していた(β = −0.06 [95% CI, −0.11 ~ −0.02])。
4歳時の睡眠時間は6歳時のメディア利用と関連しており(β = −0.10 [95% CI, −0.14 ~ −0.05])、6歳時の睡眠時間は8歳時のメディア利用を予測していた(β = −0.08 [95% CI, −0.13 ~ −0.03])。
これらの双方向の関係のいくつかは社会経済的地位によって異なっていた。
シンプルにまとめると以下の結果になります。
よく寝る子は、その後もよく寝る傾向がある。
スクリーン時間が長い子は、その後もスクリーン時間が長い傾向がある。
→ 生活習慣にはある程度の持続性がある。
スクリーン時間が長い子では、その後の睡眠時間が短い傾向がある。
睡眠時間が長い子では、その後のスクリーン時間が短い傾向がある。
→ 睡眠とスクリーン時間には双方向の関連がある。
ただし、関連の大きさは小さいが、方向性は一貫していた。
Discussion
スクリーンタイムが長いほど、子どもの睡眠時間が短くなる。
今回、睡眠時間が、その後のスクリーンタイムと逆相関していたことがわかったことが重要な結果だった。
この2つの理由が考えられる。
・睡眠時間が短いと疲労倦怠感を招き坐位時間が増える
・睡眠障害がある場合に対処行動としてスクリーンを利用している
リミテーション
・データ欠損による参加者の除外により、結果の代表性に偏りがある可能性
・記録は保護者の日記によるもの
・モバイル端末は評価していない
・残った交絡はある
双方向性という視点は、とても大切だと感じました。スクリーン時間が睡眠に影響するだけでなく、睡眠の短さがその後のスクリーン時間の多さにも関連している可能性が示されています。つまり、睡眠だけ、スクリーンだけを個別に考えるのではなく、子どもの生活習慣全体を整えていくことが重要なのだと思います。

(※) Magee CA, Lee JK, Vella SA. Bidirectional relationships between sleep duration and screen time in early childhood. JAMA Pediatr. 2014;168(5):465-470.
【Healthy Habits 全記事まとめ】→ こちら




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