Healthy Habits 5_スクリーンタイム 1
今回は、アメリカの子どものスクリーンタイムの推奨に関して取り上げます。(※1)
今回もアメリカ小児科学会からの推奨です。スクリーンタイムとは、テレビやスマホなどの画面を見る時間です。
・1歳半~2歳未満 画面の使用を避ける(ビデオチャット以外)
・2~5歳 画面の使用を1日あたり1時間に制限する
が推奨されています。第1回でご紹介したWHOのガイドラインとほぼ同じ基準で、2歳未満のスクリーンタイムを厳しく制限しています。
その理由が、Health and Developmental Concernsとして挙げられているので、簡単にまとめました。
■肥満
就学前のメディアの過剰使用は、BMIの上昇と関連している。食品広告への暴露や、食事中のテレビ視聴(満腹の合図に対する注意力が低下する)が、このような関連を引き起こすと考えられている。
■睡眠
睡眠時間が短くなるのは、夜寝室で画面を見るだけでなく、夕方のスクリーンタイムも関連性がある。覚醒させるコンテンツや、スクリーンから発せられるブルーライトによる内因性メラトニンの抑制が原因と考えられている。
■発達
幼児期の過剰なテレビ視聴と、認知、言語および社会的/感情的遅れとの関連性が示されている。テレビを見ているときの親子の双方向性のやりとりの減少が原因である可能性。 メディアの利用が多い世帯では家族機能が低下している。
■保護者の使用
親がテレビを使用していると、親子の交流や子どもの遊びが妨げられる。親がスマホを頻繁に使用すると、親と子の間の言語的および非言語的なやり取りが減少し、親子の対立が増える可能性がある。親のメディア使用は子どものメディア習慣を強力に予測するもので、親のメディア使用を減らし、親子の交流を強化することは行動変容に重要。
今回はスクリーンタイムを制限するべきという内容でしたが、いくつかの利点も記載はされていました。しかし、デメリットの方が大きいと考えて良さそうです。
乳幼児健診では、問診表にスクリーンタイムを保護者に記載してもらう箇所があります。スクリーンタイムゼロを目指すことは現代の環境では難しいかもしれません。保護者の方から「なぜ良くないのか?」とお尋ねされた場合は、上記内容を踏まえた説明をさせて頂きます。
(※1)COUNCIL ON COMMUNICATIONS AND MEDIA. Media and Young Minds. Pediatrics. 2016 Nov;138(5):e20162591.
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