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善導寺こどもクリニック

食べ方を学ぶ乳幼児期

Healthy Habits 44_食事8


今回は、乳幼児の食行動がどう形作られるのかに関するレビューを読みました。(※)

INTRODUCTION

・生まれてから最初の2年間に焦点を当てる

・乳幼児は食事を大人に完全に頼っている

・養育者の行動が子どもの食行動の形成に重要な役割を果たす

・乳児期と幼児期は、果物や野菜など、健康的な食品の受け入れを促進するのに適した時期

・何を食べさせるべきかだけでなく、どのように食べさせるかも大切

子どもの食べ物の好き嫌いや摂取量の発達に及ぼす影響

子どもの学び

・どの食べ物が食べられるのか

・どれくらいの量が提供されるのか

・食べるタイミングや、強制されたり

・スクリーンタイムや遊びや睡眠などの他の状況


乳幼児は、このようなルーチンを早期に経験することで、食事の開始と終了が、自分の内的な空腹と満腹の合図に反応するものなのか、それとも皿に残っている食べ物の量などの環境的な合図に反応するものなのかを学習する。

従来の食事慣行は、食料不足の時代に発展したものであり、現在の食環境では問題となることがある。例えば、「泣いたら食べさせる」などの慣行は、過剰なエネルギー摂取を助長する可能性がある。幼児や乳児に対するこれらの慣行の影響についての研究は限られており、特に自己調整能力の発達や食事行動に与える影響についてのさらなる研究が必要。

肥満誘発環境における慣れ

乳児は馴染みのある味を好むようになるだけでなく、甘味、塩味、うま味に対しては肯定的で、苦味や酸味に対しては拒否する素因がある。

ただし、これらの初期反応は、食経験によって修正されることがある。

現在の食環境は、もともとの素因に合わせて調整されており、安価でエネルギー密度が高く、糖分と塩分が多い食品が容易に手に入る。乳児や幼児は、これらの食品や飲料を初めて提供されるとすぐに受け入れる。したがって、糖分や塩分、エネルギーが豊富な不健康な食事パターンを確立するのは比較的容易だが、野菜などの多様な食品を受け入れるには繰り返しの経験が必要で、そのための受け入れを促進するのは難しい。

食べ物と食べる状況や結果を関連付けることを学ぶ

食品に対する好みは、条件付け学習を通じて形成されることがある。

例えば、子供が食べ物を報酬として与えられたり、好意的な大人と一緒に食べたりすると、好感度が高まることがある。さらに、食事中の親や介護者の感情が、食べ物の好みや摂取量に影響を与えることも示唆されている。

また、味の組み合わせによる学習が新しい食べ物の好みに影響を与えることも重要で、新しい味と好きな味を組み合わせることで、子供は新しい食べ物に対する好みを持つようになる可能性がある。子供が新しい食べ物を試すことに抵抗があるため、まずは好まれる食べ物と組み合わせることで、新しい食べ物への好感を得る手助けができるとされている。今後は、特に0〜24ヶ月の乳幼児に対する学習プロセスに関する研究が求められる。

観察学習:味覚、嗜好、摂取を促進する社会的影響

社会的影響は、子供が新しい食べ物を試すことを促進する強力な手段。

子供は、大人が食べているのを観察すると、見慣れない食べ物をより試そうとする傾向がある。また、仲間が食べるのを見た場合も、食べる意欲が高まることがある。

最近の研究では、子供が新しい食べ物を受け入れる際、大人が同じ色の食べ物を食べているときに最も多く食べることがわかった。このように、子供の食べ物の受け入れは、特定の社会的影響によって促進されることが示されている。今後は、幼児が観察を通じて食べ物について何を学ぶか、特に異なる環境での食事モデルが食べ方に与える影響についての研究が必要。

まとめ

・12〜24ヶ月は子供が離乳食からテーブル食への移行を進める重要な時期

・初期の多様な味への露出は、嫌悪感を克服し、食べ物の受容を促進する

・幼児期の食生活で様々な食べ物を受け入れられないと、容易に受け入れられる甘いものや塩辛いものに支配され続ける可能性が高い。

 

乳幼児の食行動に関するエビデンスは少ないと何度も述べられていましたが、子どもの食行動が乳幼児期から形成されていくことを考えると、食べ物の好き嫌いは本人の性格みたいなものと簡単に言ってはいけないのかもしれません。

(※) Birch LL, Doub AE. Learning to eat: birth to age 2 y. Am J Clin Nutr. 2014 Mar;99(3):723S-8S.

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