Healthy Habits 6_食事 2
今回は、子どもたちの食べ物への感謝の心と健康との関連を報告した日本からの論文です(※1)。「いただきます」「ごちそうさま」は私たち日本人にとっては当たり前ですが、多くの国では一般的ではないようです。
目的
食べ物への感謝が子どもの健康に果たす役割を、次の 2 つの観点から説明すること。
1) 子どもの食べ物への感謝と、食に関する家庭や学校の教育経験などの背景との関連
2) 食べ物に対する感謝の気持ちと、食べ物に対する態度、食事行動、健康状態などとの関連
方法
データは、2006年に東京の小学5-6年生 2070人を対象
匿名の自記式アンケートを配布。アンケートは、参加者の特徴、食に関する家庭や学校での教育経験、食への感謝など食に対する意識、食行動、健康状態に関する情報を引き出すための項目で構成。食べ物に対する感謝の合計スコアとその他の要素との関連を調べた。
結果
1994 人の子供たちが回答 (回答率: 96.3%)、性別、家庭および学校での教育経験、健康的な食事に対する態度、推奨される食事への好み、朝食の摂取量、BMIは、食に対する感謝の合計スコアと有意な相関関係が示された。非推奨食品摂取量は、相関係数は低かったが、食に対する感謝の合計スコアと有意に逆相関していた。
結論
食べ物に対する感謝の気持ちが、子供の健康に重要な役割を果たしている。
文部科学省の食に関する指導の手引-第二次改訂版-(平成31年3月)には、感謝の心(食べ物を大事にし、食料の生産等に関わる人々へ感謝する心をもつ)を育むことが求められている、と記載があります。今回の論文は、その「感謝の心」を具体的に測り、子どもの健康との関連がわかったという報告です。
「いただきます」「ごちそうさま」は、These phrases mean an eater appreciates and gives thanks for the lives given by animals and plants. と説明されていました。子どもたちにもそのように説明するとわかりやすいと思いました。また、食べ物への感謝尺度 Table 1.と家庭での食に関する教育 Table 2.が参考になりますのでまとめました。
(※1) Kawasaki Y, Akamatsu R. Appreciation for food, an important concept in mindful eating: association with home and school education, attitude, behavior, and health status in Japanese elementary school children. Glob Health Promot. 2020;27(3):140-149.
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