top of page
何かを見つめる子ども

お知らせ

善導寺こどもクリニック

子どもの風邪薬 市販薬について

Healthy Habits 27_周辺の環境4


今回は、子どもの風邪薬の市販薬について取り上げます。

外来診療では、「現在内服しているお薬はありますか?」という質問を必ず行います。

この質問に対して、「市販の風邪薬を飲んでます」と回答される方が時々おられます。

この市販の風邪薬に関して知っておいて頂きたい情報となります。

 

小児科医が処方するいわゆる「風邪薬」と言われるものには数に限りがあります。

どこの病院、どこのクリニックに行っても出される薬は同じものが多いと思います。小児に安全に使用できる「風邪薬」はそれくらいしかないという意味でもあります。(あくまでも「風邪」に対しては対症療法が大前提です)

市販の風邪薬の問題点

最大の問題点は、小児科では基本的に処方しない薬剤が複数ミックスされて含まれていることです。ミックスされているということは、関係のない症状に対する薬も含まれている可能性があります。

市販薬に含まれていることが多い薬剤を以下に示します。(※1)(※2)


・解熱鎮痛剤 アセトアミノフェン、イブプロフェン

・抗ヒスタミン薬 ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン

・気管支拡張薬 dl-メチルエフェドリン塩酸塩

・鎮咳薬 ジヒドロコデインリン酸塩(麻薬性)、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン

・去痰薬 グアイフェネシン

・その他 無水カフェイン

注意喚起

この中で、現在の小児科医が風邪に対して使用する主な薬剤は、アセトアミノフェンや鎮咳薬(非麻薬性)のみです。

市販の風邪薬は6歳未満の子供の風邪には推奨されず、6歳から12歳の子供には使用しないことが推奨されています。(※3)

だいぶ古い勧告ですが厚生労働省からも、同様の注意喚起が出されています。(※4)

 

夜間や休日の急な体調不良だけど病院が空いていない、市販の風邪薬しか頼るものがない。このような状況はよく発生すると思います。そんな時は、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンのみが安全に使用できるものと認識しておくことが大切です。

(※1)Diane E Pappas. The common cold in children: Management and prevention. Morven S Edwards, ed. UpToDate. Waltham, MA: UpToDate Inc. http://www.uptodate.com (2024年5月23日アクセス)

(※2)山口県薬剤師会 HP:薬剤師によるかぜ薬の選択.https://yama-yaku.or.jp/reference/training/file/otc/404-2.xls(2024年5月23日アクセス)

(※3)Shan Yin. Over-the-counter cough and cold preparations: Approach to pediatric poisoning.

Michele M Burns, ed. UpToDate. Waltham, MA: UpToDate Inc. http://www.uptodate.com  (2024年5月23日アクセス)

(※4)厚生労働省医薬食品局:薬食総発 1222 第 1 号,薬食安発1222 第 1 号,一般用医薬品のかぜ薬(内用),鎮咳去疾薬(内用)及び鼻炎用内服薬のうち,小月の用法を有する製剤の販売に係る留意点について(周知依頼).平成 22 年12 月 22 日 https://www.pmda.90.jp/files/000203198.pdf




Σχόλια


bottom of page