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1歳半の睡眠と発達

善導寺こどもクリニック

Healthy Habits 58_睡眠 10


今回は、18か月の幼児の睡眠習慣と発達についての研究(※)を読みました。

日本からの報告で、早期の睡眠習慣の確立が重要だとわかる結果でした。

Introduction

睡眠と精神的・認知的・行動的健康との関係を示す包括的な疫学研究は少ない。この研究では、乳児の睡眠パターンが社会性の発達に与える影響を調べることが目的。

遅い就寝時刻や短い睡眠時間が乳児の発達に悪影響を与える可能性があると仮定した。

また、発達障害や自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ子どもたちは、非標準的な睡眠パターンが多いことが示唆されているが、これまでの研究は主にアンケートに基づくもので行動観察を含むものは少ない。

Methods

2004-2005年に生まれた18か月の子どもが対象

大阪市と三重市の2つの地域から選択され、403人が参加

除外基準:早産児、先天異常のある児


・睡眠習慣は、質問票を使用して評価

起床時刻・就寝時刻・夜間覚醒の回数・昼寝時間を、平日・土曜・日曜で保護者が記録

・神経診察

小児神経科医が直接参加者を約45分診察して確認し、定型発達と非定型発達の2つのグループに分類

・アンケート

Kinder Infant Development. 尺度(KIDS)などのアンケートと身体情報を収集


統計解析で非定型発達を示す幼児の睡眠要因を特定

Results

・403人のうち、300人が定型発達、80人が非定型発達と評価された(23人は情報不十分)


<入眠時刻>

平日と日曜日、定型発達群は非定型発達群よりも入眠が早かった


<土曜日昼間の睡眠>

非定型群は定型発達群に比べて、午前中の昼寝、午後の昼寝、昼間の全昼寝が長かった


<平日、土曜、日曜の夜間睡眠>

定型群は非定型群よりも睡眠時間が長かった

土曜の睡眠効率(ベッドで過ごした時間に対する実際に眠った時間の割合×100%)には有意差があった。 


睡眠項目のうち、

睡眠効率が低い(土曜日)ことと、入眠時刻が遅れること(平日)が非定型発達に最も関係しており、22時以降の睡眠が良くない

Discussion

睡眠習慣が悪いことと非定型発達との関連は、

[発達上の問題を抱える子どもが睡眠習慣を確立できないこと]+[育児環境が原因で睡眠習慣が不良]の両方から生じている可能性がある


リミテーション

・非定型群のなかにはASDやADHDだけでなく定型発達の正常児が含まれているかもしれないこと

・睡眠評価が質問票であり客観的な睡眠ツールを使用してないこと

 

この研究は、対象となった子どもたちを、小児神経科医が直接診察しているところにインパクトがあります。

適切な睡眠習慣は1歳半の乳幼児の発育にとって重要です。

(※) Iemura A, Iwasaki M, Yamakawa N, et al. Influence of sleep-onset time on the development of 18-month-old infants: Japan Children's cohort study. Brain Dev. 2016;38(4):364-372.

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