Healthy Habits 24_周辺の環境3
今回は、CDC(米国疾病予防管理センター)のSmoking & Tobacco Useのなかにある、受動喫煙のファクトシート(科学的知見に基づく概要書)を取り上げます。(※)
「保護者用ガイド」がわかりやすくまとまっていましたので、要点をまとめました。
受動喫煙の煙は子供たちを脅かす
受動喫煙の煙は、火をつけたタバコや葉巻から発生します。また、喫煙者が吐き出す煙からも発生します。
子供たちが受動喫煙の煙を吸うと、子供たちも喫煙しているようなものです。受動喫煙の煙は何千もの化学物質でできています。
以下は、タバコの煙に含まれる化学物質や毒物のほんの一部です。
・シアン化水素 生物兵器に使用
・カドミウム バッテリーに使用
・トルエン 塗料用シンナーに含まれる
・アンモニア 家庭用洗剤に使用
・ブタン ライターに使用
・ベンゼン ガソリンに含まれる
受動喫煙の煙は子どもたちにどのような悪影響がありますか?
タバコの煙は、生まれる前の赤ちゃんにも害を及ぼします。子どもたちにも害を与えます。肺も体もまだ成長途中だからです。
・受動喫煙の煙を吸った赤ちゃんは、乳幼児突然死症候群(SIDS)で突然死する可能性が高くなります。
・受動喫煙の煙を吸った赤ちゃんや子どもは、気管支炎や肺炎、中耳炎にかかりやすくなります。
・喘息の子どもは、受動喫煙の煙を吸うと発作を起こすことがある。発作がひどくなると、子供は病院送りになることもあります。
・妊娠中の喫煙は、早産や低出生体重児の原因となります。喫煙すると、赤ちゃんが病気になったり、死亡したりする可能性が高くなります。
子供たちは家庭で受動喫煙の煙から隠れることはできない。その理由は・・・
浴室や寝室など別の部屋で喫煙すると、家中の空気が汚染されます。アパートでは、1つの部屋で吸った煙が建物全体に広がります。
・廊下や階段の吹き抜けで喫煙しても、室内にいる子どもを守ることはできません。煙はドアや窓の下、隙間から入っていきます。
・中にいる子どもたちを守るために、家やアパート 建物は禁煙でなければなりません。受動喫煙の煙はいくらあっても安全ではありません。臭いがしなくても、タバコの煙は子供に害を与えます。
・窓を開けたり扇風機を使ったりしても、子どもを守ることはできません。
・空気清浄機や芳香剤では、煙の有害物質を取り除くことはできません。
・一本のタバコの煙は、何時間も部屋にとどまることがあります。子どもがいないときでも、家ではタバコを吸わないようにしましょう。
私たちはあらゆる場所で受動喫煙の煙から子供たちを守らなければなりません。
・自宅で子供の世話をしている場合は、誰にも喫煙させないでください。
・ベビーシッターや家族、友人が子どもたちの周りで喫煙しないようにしてください。
・子供の保育園内では喫煙が禁止されていることを確認してください。
・お子様の学校が屋内も屋外も禁煙であることを確認してください。 学校行事はすべて「禁煙」にすべきです。
・禁煙のレストランや店を選びましょう。 レストランの「禁煙」区域は、子供たちを受動喫煙の煙から守るものではありません。
・子供を車に乗せている場合は、人に喫煙させないでください。 窓を開けても子どもを守ることはできません。
<補足>
※受動喫煙とは・・・
たばこの煙のうち、フィルターなど吸い口から喫煙者が吸い込む煙を「主流煙」といい、喫煙者が吸って吐き出した煙を「呼出煙」といいます。また、火がついた部分から立ち上る煙のことを「副流煙」といいます。空気中には、呼出煙と副流煙が混ざって漂うことになりますが、そういう煙を「環境たばこ煙」と呼んでいます。そしてそれにさらされることを「受動喫煙」といいます。
第14回の記事では、厚生労働省の「たばこ白書」に関して簡単にまとめていますので参考にされてください。
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