Healthy Habits 14_周囲の環境 1
今回は、厚生労働省から出されている「喫煙と健康」(喫煙の健康影響に関する検討会報告書)いわゆる「たばこ白書」と呼ばれているものを取り上げます。
「たばこ白書」に記載されている小児関連の内容をまとめました。(※)
「レベル」の意味は以下の通りです。
レベル 1:科学的証拠は,因果関係を推定するのに十分である
レベル 2:科学的証拠は,因果関係を示唆しているが十分ではない
レベル 3:科学的証拠は,因果関係の有無を推定するのに不十分である
レベル 4:科学的証拠は,因果関係がないことを示唆している
妊婦の受動喫煙と胎児発育
□国際評価
受動喫煙していた妊婦からの児の出生体重は有意に減少する Level 1
□国内評価
有意な結果は得られていない
■結論
妊婦の受動喫煙と子宮内胎児発育遅延,出生体重の減少(低出生体重児)との因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
小児の受動喫煙と呼吸器疾患、中耳炎
□国際評価
幼児期における喘鳴の発症、学童期の喘息の既往 Level 1
小児喘息の発症 Level 2
学童期の咳、痰、喘鳴、息切れ Level 1
急性中耳炎 Level 1
□国内評価
アレルギー疾患の家族歴のある6-10歳において、喘鳴と喘息の頻度が受動喫煙と関連
受動喫煙は、喘息の症状や服薬必要性と関連
母の喫煙が喘息発症や重症化に影響している可能性
■結論
1.小児の受動喫煙と喘息の既往との因果関係を推定するのに十分である(レベル1)
2. 小児の受動喫煙と喘息の重症化との因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
3.親の喫煙と小児の喘息発症について因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
4. 受動喫煙と小児の呼吸機能低下との因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
5. 親の喫煙と学童期の小児における咳嗽,痰,喘鳴,息切れとの因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
6. 小児の受動喫煙と中耳疾患について因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル 2)
小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)
□国際評価
妊娠中の母の喫煙と、出生後の受動喫煙、両者ともSIDSとの関連ありLevel 1
□国内評価
古い検討だが、両親の喫煙がSIDSと関連している
■結論
1.妊婦の能動喫煙とSIDSについて因果関係を推定するのに十分である(レベル 1)
2.小児の受動喫煙とSIDSについて因果関係を推定するのに十分である(レベル 1)
まとめると以下の図のようになります。
因果関係が明らかになっているものだけでこれだけの数があります。まさに子どもにとって百害あって一利なしと再認識できます。
「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」 スライド集 より引用
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