Healthy Habits 4_総論 3
今回は、Biomedical model(生物医学モデル)とBiopsychosocial model(生物心理社会モデル)という考え方を取り上げます。
Biomedical model(生物医学モデル)とは、簡単にいうと自動車の修理のようなイメージです。
自動車の調子が悪くなったら、どこの部品に不具合が生じているのかを調べ、交換できるものは交換し、修理できるものは修理します。人間の体の調子が悪くなったら、どの臓器に異常が出てきているのか、検査値はどれくらいかを調べ、場合によっては取り除いたり、薬で補ったり、ある作用機序をブロックしたりという具合です。西洋医学はこれを徹底的に追及し、現在の素晴らしく発展した医療があります。
ただ、人間の体は自動車などの機械と同じではありません。体の不調の原因は、ある一つの物質が原因だったという話で終わらないことがあり、色々な要因が絡み合っています。
それを説明するときに、Biopsychosocial model(バイオサイコソーシャルモデル:生物心理社会モデル)という言葉が使われます。人間の体の調子は、体の中の物質だけでは決まらない、ということです。つまり、人間は心理的にも社会的にも影響される存在で、健康もそれらの上に成り立っていると考えられます。
このモデルを子どもたちの健康にも当てはめましょうという流れが最近強くなってきており、「健康の社会的決定因子」を評価することが子どもにとっても大切です。
図1は、「健康の社会的決定因子」をわかりやすく示しています。(※1)
図1
図2
図2は、「肥満」にどれだけの因子が複雑に絡み合っているかを示しています。(※2)
このように、子どもの健康は、単にその子の身体だけの問題ではないという認識を持つことが大切と思います。
(※1) 藤野善久, 近藤克則. 健康の社会的決定要因(12)「健康格差への取り組みと健康影響評価」.日本公衛誌 2011; 58: 300-305
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