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  • 善導寺こどもクリニック

子どもの睡眠時間を削った研究

Healthy Habits 13_睡眠 2


今回は、子どもの睡眠時間を制限するとどうなるか研究をまとめた論文を読んでみました。(※)

睡眠時間を意図的に制限するという実験的な研究をまとめており、今の時代には倫理的に出来ないかもしれない研究です。

 
Introduction

睡眠時間を制限すると日中の機能が障害されるが、大人と違い子どもはすぐには回復しないことがわかっている。睡眠は子どもにとって認知と情動機能の調節に重要な役割を果たしている。子どもの睡眠時間を制限した研究をまとめる。

睡眠不足と眠気

睡眠制限による影響で明らかなものは眠気である。学校で子どもたちが居眠りすることは学校の先生からよく報告されている。学校の始業時刻を遅らせると結果として、居眠りが減ったり、子どもたちの睡眠時間が増えることが示されている。

睡眠不足と情動機能

子どもの時に感情を調整することを発達させることは大切である。

子どもの睡眠不足は、不安、情動問題、うつ状態と関連している。

1日1時間睡眠時間を制限して4日間過ごした研究では、

わずか「1時間」睡眠時間が短くなるだけで、ポジティブな感情と感情調整能力が低下した。

もっと深刻で持続的な睡眠不足は永続的な情動調節障害やうつや不安症の出現に関与するかもしれない。

睡眠不足と認知機能

不規則な睡眠覚醒パターンは学業成績の低下と関連している。

睡眠喪失後の機能障害を報告したいくつかの研究では、足し算や単語記憶、新しい抽象概念の学習、抽象的思考などが障害されることがわかった。

まとめ

睡眠時間が短縮されると、発達中の子どもの認知機能や感情機能のいくつかの側面が損なわれることがわかっている。子どもたちが思春期に向かうにつれて睡眠を妨げる要因は増えていくため、思春期前の子どもたちを対象にして健康的な睡眠習慣を確立するアプローチが有益な可能性が高い。

 

大人は睡眠時間が足りていないと、日中の不調の原因は睡眠不足だと考えることができますが、子どもたちはそれができるでしょうか。

睡眠時間が足りない→→眠くなる だけなら良いのですが、「子どもは成長している」という点が大人と大きく異なります。子どもの睡眠時間を確保してあげること、出来る限り大切にしたいです。



(※)Vriend J, Davidson F, Rusak B, Corkum P. Emotional and Cognitive Impact of Sleep Restriction in Children. Sleep Med Clin. 2015;10(2):107-115.

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