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何かを見つめる子ども

お知らせ

  • 善導寺こどもクリニック

子どもの「薬」の基本知識

Healthy Habits 15_周囲の環境 2(内服薬1)

今回は、「薬」を取り上げます。

どんな「薬」にも副作用が存在します。小児科一般診療では、子供には使用しない方が良いと共通認識されている薬がいくつかあります。(もちろん使用が適切な場合もあります)

子どもの健康を守るという視点からも、子どもたちが内服する「薬」の基本的な知識を保護者の方が持っておくことは大切なことだと思います。

 

私たち小児科医は「セレスタミン®」というお薬はほとんど使用しません。

稀に使用する状況として、中等度以上のアレルギー反応があり急ぎでそれを抑えるため、重症の花粉症で困っている場合に短期間、この2パターン程度くらいと思います。

使用しない理由

① d-クロルフェニラミンマレイン酸という第1世代の抗ヒスタミン薬が含有されているから

② ベタメタゾンというステロイドが含有されているから

です。

①は、眠気が強く出たり、熱性けいれんのリスク(けいれん誘発・持続時間延長)が上がることが知られています。

②は、ステロイドの副作用が懸念され、中でも副腎抑制や成長障害の報告があります。


「セレスタミン®」の添付文書には下記のことが明記されています。(※1)


漫然と内服を続けてしまうと医原性の副腎不全が起こる可能性があります。

副腎不全となり、低血糖、けいれんを起こした症例報告もされています。(※2)


アレルギー領域の使用においても、「原則1週間以内の使用」が共通認識となっています。


以上より、小児、特に乳幼児においては「セレスタミン®」の使用は控えるべきと考えます。


(※2) 谷口真紀, ほか:小児臨床67:1225, 2014


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