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  • 善導寺こどもクリニック

「Sugary Drink」の消費を減らすための政策(アメリカ)

Healthy Habits 3_食事 1


今回は2019年にアメリカ小児科学会から出された、子どもたちの「Sugary Drink 甘い飲み物」の消費を減らすための公共政策に関する声明を取り上げます。(※1)

背景

アメリカ心臓協会(AHA)、ヨーロッパ小児栄養消化器肝臓学会 (ESPGHAN)、世界保健機関(WHO)などは、子どもの砂糖摂取に関する指針を発表している。それにも関わらず、アメリカの子どもたちの砂糖摂取量は多いままで、摂取カロリーの17%を砂糖からとっている。そのうちの半分以上はsugary drinkから摂取している。

政策に関する推奨事項

1. 砂糖入り飲料の価格を上げる

2. 子どもたちに対する砂糖入り商品のマーケティングを減らす

3. 連邦政府の栄養補助プログラムに関して 

4. 信頼できる栄養情報にアクセスできるようにする 

5. 健康な飲料をデフォルトにする 

6.   病院の役割

砂糖の過剰摂取は、齲歯、心血管疾患、高血圧、脂質異常症、インスリン抵抗性、2型糖尿病、脂肪肝のリスクとなり、全死因の死亡率をあげることがわかっている。子どもと青少年の健康を守るためには、子どもと青少年の砂糖入り飲料の消費を減らすための政策戦略を広範に実施することが必要。

 

各機関の小児の砂糖摂取に関する指針はまた別の機会で取り上げる予定です。

今回は、細かな内容ではなく、他国の砂糖に対する見方を確認できると思います。

現在いくつかの国(チリ・メキシコ・アメリカ・イギリスなど)では、タバコ税やアルコール税を参考に砂糖税が導入されています。WHOも20%の砂糖税を提案しているほどです。また子ども向けのマーケティングを制限する動きも出てきています。これは子どもが大好きなアニメキャラクターなどをお菓子やジュースの宣伝に使っていることをターゲットにしています。自動販売機やレストランで提供される砂糖飲料に関しても、減らすための取り組みが進められています。

日本もアメリカほどはないにしても、砂糖飲料やキャラクター付お菓子やデザートは子どもたちの周りに溢れています。これらアメリカの政策が、アメリカだけの特別な政策でなくなる可能性は十分にあり得ると思いました。


(※1)Muth ND, Dietz WH, Magge SN, et al. Public Policies to Reduce Sugary Drink Consumption in Children and Adolescents. Pediatrics. 2019;143(4)

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