Healthy Habits 38_身体活動 6
今回は、「小児の身体活動バイタルサイン(The pediatric Physical Activity Vital Sign)」という言葉に触れてあるEditorial(※1)を読みましたので簡単にまとめました。
身体活動の重要性
身体活動(PA)は健康にとって重要であり、子供が生まれる前からその効果が現れる。
妊娠中の適切なPAは、母親の体重増加や糖尿病、高血圧症のリスクを減少させ、胎児の健康に良い影響を与える。妊娠中に身体活動を行う母親は、出産後も活動的である可能性が高く、その子供も活動的になる傾向がある。このため、妊娠中と出産後のPA促進が重要。
子供の各成長段階でもPAは重要で、乳児や幼児は運動能力を発展させる活動を奨励されるべき。就学前の子供は基本的な運動技能を身につける活動に参加し、学齢期の子供は学校や課外活動を通じて推奨される1日60分の中程度から激しい身体活動を実現する機会を持つべき。
しかし、実際には米国の高校生の多くがこの推奨基準に達しておらず、社会全体で若者が定期的に身体活動を行うように促進する必要がある。
医療における身体活動の評価
医療における身体活動の評価は、成人では自己申告による身体活動バイタルサイン(PAVS)が用いられる。
しかし小児は実際の身体活動を評価することは複雑な作業となる。
身体活動を評価する標準化されたツールとプロセスの欠如は、医療現場における身体活動の促進に対する障壁となっている。
Intermountain Healthcareは小児身体活動バイタルサイン(Peds PAVS)を作った。(※2)
小児向けPAVSでは、米の身体活動ガイドラインの推奨事項に沿って、子供や青少年が中程度から激しい身体活動を60分達成した週の日数を記録する。さらに、子供が参加する活動の種類(通学のアクティブな移動、体育、放課後の活動、座っている時間)について質問する。
現在の身体活動レベルを知ることで、医療側は、健康と幸福を促進するための適切な身体活動に関して若者や親に助言するために必要な情報を得ることができる。
医師とその医療チームは、身体活動の現在のレベルを理解し、推奨レベルの活動を達成していない子供や親に助言する必要がある。
バイタルサインとは、生命に関する最も基本的な情報で、心拍数・呼吸数・血圧・体温の4項目のことを指します。病院を受診したときに毎回測定される項目です。その「バイタルサイン」という言葉を、「身体活動」とつなげてPhysical Activity Vital Signと呼んでいます。
どれくらい定期的に運動しているかという情報が、一般的な「バイタルサイン」と同じくらい健康にとって大切な情報だという意味が込められていると思いました。
(※1) Joy EA, Lobelo F. Promoting the athlete in every child: physical activity assessment and promotion in healthcare. Br J Sports Med. 2017;51(3):143-145.
(※2) Intermountain Healthcare Lifestyle and Weight Management for Children and Adolescents Care Process Model. https://intermountainhealthcare.org/ext/Dcmnt?ncid=520289819
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