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幼児期の睡眠時間とその後の怪我

善導寺こどもクリニック

Healthy Habits 63_睡眠11


今回は、幼児期の睡眠が小学生になってからの怪我のリスクと関係しているのかを、大規模な縦断研究で明らかにした報告を読みました。(※) 5万人が対象になった大きな研究です。

Introduction

子どもの睡眠時間が短いことの問題点は、感情のコントロールが阻害されたり、学力低下のリスクなどが知られているが、睡眠時間が短い子供は、医療処置を受ける外傷や転倒事故が多くなることが報告されている。

Materials and Methods

・厚生労働省が実施した大規模出生コホート研究の「21世紀出生児縦断調査」のデータを使用

・2001年1月10日~17日、7月10日~17日に日本で生まれたすべての乳児を対象

・乳児が生後6か月に達したとき、最初の調査票が53,573世帯に無作為に郵送

・睡眠時間(sleep duration: SD)は、子どもが5.5歳時の保護者による回答で決定

 「10~11時間」のSDを標準的なものと定義

・傷害:5.5歳から9歳までに病院で治療を受けたことのある怪我と定義

・統計解析

SDを以下の7つのグループに分けた(6時間/7時間/8時間/9時間/10~11時間/12時間以上/不規則)

追跡調査から外れた子どもたちを検討する

5.5歳時点の睡眠時間と、傷害との関連を解析

追加の分析 8歳時点で「問題行動」がある子どもとない子どもに分け、睡眠時間と傷害との関連を検討

Results

・最終的に32044人が解析対象

・解析から外れたデータ不十分な子どもは、SD が短いか不規則である可能性が高かった

・6,369人(19.9%:6369/32,044)の子供が傷害あり、25,675人(80.1%:25,675/32,044)は傷害なしと分類された

・傷害群は男児に多かった

・推奨SD(10時間または11時間)を満たしていたのは、わずか2921人(9.1%:2921/32,044)だった

・すべてのSDカテゴリーのうち、8時間グループが最も多く、傷害の割合も最も高かった(35.4%:2260/6369)

・ロジスティック回帰モデルでは、より短いまたは不規則な SD カテゴリーが、傷害の調整オッズ比 (aOR) の上昇と関連していた (6時間: aOR 1.40、95% 信頼区間 (CI) 1.19–1.66、7時間: aOR 1.10、95% CI、0.98–1.23、8時間: aOR 1.13、95% CI、1.02–1.26、不規則: aOR 1.26、95% CI 1.10–1.43)。

・行動上の問題の有無にかかわらず、より短いまたは不規則な SD で同じ傾向が観察された

Discussion

・幼児期の短いまたは不規則な SD と小学校での傷害リスク上昇との明確な縦断的関係を示した最大規模の研究

Limitation

・夜間の中途覚醒や昼寝時間は入っていない

・平日の睡眠時間が報告されていると推測される

・傷害の程度や種類が不明

・SD記録は5.5歳のときだけの記録

 

3~5歳の幼児には1日10-13時間の睡眠が推奨されています。

この推奨を満たしていた子どもはわずか約10%でした。幼児期の睡眠とその後の怪我との関連を主題としたものでしたが、この10%の方がインパクトが大きいと思いました。

(※) Obara T, Naito H, Tsukahara K, et al. Short or Irregular Sleep Duration in Early Childhood Increases Risk of Injury for Primary School-Age Children: A Nationwide Longitudinal Birth Cohort in Japan. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(18):9512.

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