top of page
何かを見つめる子ども

お知らせ

緑地と子どものメンタルヘルス

善導寺こどもクリニック

Healthy Habits 35_周辺の環境5


今回は、住宅付近の緑地と子どものメンタルヘルスとの関連を報告した論文を読みました。(※)

Introduction

子どもの約40%が成人までに精神障害の基準を満たし、その流行は加速している。精神的健康の障害はより一般的で、内面化症状や外面化症状が増加している。自然との触れ合いはこれらの障害を緩和する一つの方法であり、緑地はストレスを軽減する。

ECHOコホートデータを利用し、小児期初期および小児期中期における住宅緑地への曝露と内面化・外面化症状との関連を調査することが目的。


内面化症状:不安や抑うつなど

外面化症状:攻撃性や規則破りなど

Methods

2023年7-10月に実施

アメリカの41州に住んでいる2-5歳と6-11歳の子どもが対象

2103人を対象

発達障害の診断を受けている子どもは除外された


緑地は衛星画像をもとに測定した分析値で評価

緑地への曝露と内向性および外向性症状の関連を検討

出産した親の教育レベル、出産時の年齢、児の性別、早産の有無、および社会経済的脆弱性で調整した

Results

親の教育レベルや出産時の年齢、子どもの性別などの因子を調整した後でも、

緑地への露出が多いほど、小児期初期の内向性症状が少ないことと関連していた(b  = −1.29、95% CI、−1.62~−0.97)。

住宅地の緑地と小児期中期の内向性または外向性症状との間には関連は見られなかった。

Discussion

・緑地が幼児期の内面化症状の軽減と関連するという知見は、幼児期は緑地への曝露に敏感な時期である可能性を示唆している。

・早期内面化症状は長期化する可能性があるため、この時期における緑地の保護的役割は長期的な意味を持つ可能性がある。

 

大人になると緑から癒しを感じてリラックスしたり、自然環境のことを考えることが出来るようになりますが、子どもは置かれた生活環境が全てで、ある意味狭い世界に住んでいるとも言えます。出来るだけ子どもたちに緑(自然)と触れ合う時間を作ってあげたいと思いました。

(※) Towe-Goodman N, McArthur KL, Willoughby M, et al. Green Space and Internalizing or Externalizing Symptoms Among Children. JAMA Netw Open. 2024;7(4):e245742.


Comments


bottom of page